会長挨拶

資源地質学会会長あいさつ

森下 祐一

 2018年4月から2年間、資源地質学会の会長を務めることになりました。微力ではありますが、資源地質学会と資源地質分野の発展に貢献できるように尽力したいと思います。
 現在の日本は「資源のない国」と表現されることがよくあります。60年前の日本には数百の鉱山があり、銅・鉛・亜鉛などの重要な金属を自給していた事を思えば、現在の国内稼行鉱山が非常に少なくなっているのは事実です。しかし、日本の産業ではレアメタルやレアアースなどの金属が大変重要ですので、日本は「資源のない国」ではなく、「資源を大量に必要とする国」と捉えて鉱物資源の安定供給を図る必要があります。
 人類は金属資源を使って豊かな暮らしを獲得してきましたが、これまで開発が遅れていた国が発展して様々な生活製品を使うようになった世界において、更なる産業の高度化に対応するためには、新たに鉱床を発見・開発していく必要があると考えます。もちろん「省資源」「代替材料」「リサイクル」などの取り組みはなされていますが、それらで供給のすべてをまかなう事は出来ません。
 鉱床探査のためには、鉱床形成に関する地球科学的理解が求められますので最先端の研究を進めて行く必要がありますし、資源探査・開発に関わる人材の養成も喫緊の課題です。本学会は、毎年3日間に渡る学術講演会(年会)を東京で開催し、一般講演に加えて時宜にかなうテーマでのシンポジウムを毎年企画しております。また、日本鉱業振興会や資源・素材学会の援助を受け、資源地質研究を推進する研究費の補助や海外の鉱床調査・巡検への参加、夏季集中合宿講座参加者の推薦などを行っています。
 資源地質学会は研究集会への参加旅費援助や研究委員会援助など、人材育成や学生会員の支援のために独自予算を運用しています。その中にはご寄付を頂いて予算化されるものもあります。将来を担う若手会員は資源地質学会若手研究委員会(通称、若手会)に集い、活発に巡検やセミナーを行っています。一方、本学会にはシニアネットというシニア会員の方々の集まりもあり、旧鉱山の巡検など会員相互のコミュニケーションの場が設けられています。シニア会員には、長年日本の金属鉱床を調査・研究された方が多くいらっしゃるので、秋季講習会巡検や若手会が企画する巡検の案内等、シニア会員のご経験を活かして頂く事で、充実した巡検ができると思います。こうした会員相互のコミュニケーションが、大学・研究機関・企業を問わず、年齢を問わず、広く日常的に活発になることが、本学会がさらに発展していくことにつながると思います。
 資源地質学会は国際英文誌Resource Geology(林謙一郎編集委員長)の出版を担っています。この学術誌が資源地質研究におけるアジアの中核となり、資源地質に関する学術、技術の進歩と発展に相乗的な効果があげられるよう、学会活動をさらに充実させていきたいと思います。学会の執行部を構成する常務委員、評議員および各委員会の方々と力を合わせ、本学会と資源地質分野の研究・開発がさらに発展できるように努力しますので、みなさまのご理解を頂き、積極的なご参加、ご協力をお願い致します。